#0:Intro


大体まぁ、公共の機関ってのは安全なイメージがあるもので、大勢の人間が集まっていれば、特異な状況にはそうそう成らないと思っている。



それは動物の習性みたいなもので、群れていれば、複数の他人が居れば、大抵のトラブルは何とか成る、人名如何の問題が伴う事件が起きても、まぁ最悪でも標的になるのは避けられる、と思い込んでいる。



勿論それは大きな間違いで、何らかの形でそんな事件が起これば、いくらかの確率で自分にもお鉢が回ってくる可能性がある。



ただ実際、大勢居れば"当たる"確立は下がるし、衆人環視の中で窃盗・殺人の類を実行しようなんて考えは普通しない、リスクに対して見返りが少なすぎるからだ。



普通は皆、そう考える、目の前で人が殺されるなんて、有り得ない。





そういう考えを捨てるときは2つある。



1つは、目の前で人が殺されたとき。



もう1つは、







目の前の人間を殺したときだ。