銀河の町 1
「お客様、終点ですよ」
と、起こされ、僕は我が怠惰を呪った。
あーあー、なんで寝過ごしちゃうかなぁ、ほんと、情けない。
明日会議だよなぁ、あー帰って資料整理しなきゃいけないんだけどなぁ、どーすんだよ、オイ。
っていうか明日の会議中止になんねぇかな、部長なんか風邪っぽかったしな、どうかな、ねぇな。
あー、もう馬鹿、なんで寝ちゃうんだよ、もう。
どうやって帰るんだよ、つーかここ何処だ。
「銀河の町」
・・・
あ?
「銀河の町」
何処?
ここは。
外を見ると、キラキラと満天の星空、つーか地面が星空。
ロマンチックですね。
いやいや、待て、なんだ、夢か。
夢だろ、夢でしょう、夢ですか?
「夢じゃないですよ」
は?
っていうか、誰、あなたは、誰。
「車掌ですが」
はぁ、車掌さん。
あの、帰りたいんですけど、電車、いつですか。
「さぁ、どうでしょうね、出ますかね、出ないかもしれないですね」
いや、あのね、あなた車掌さんでしょう?
出るか判らない訳が無い、変な気を起こさずに、教えてくださいよ。
「いやね、私も、判らんのです、時間など此処には無いのですから」
あの、何を言ってるか判らないのですが、とにかく、この電車が出るのは何時なんですか。
「あなたね、財布でも捜してみなさい。時刻表、出るかも知れんから」
そう言われ、有る筈無いのだけれど、探してしまったのだが、時刻表を見つけた。
しかし白紙の時刻表、一言、「気付いた時、思い出した時」。
あの、書いて無いんですが。
「それはね、あなたが帰りたくなったら判りますから、では、私、仕事御座いますので」
ねぇ、ちょっと待って、ねぇったら。
行っちゃった。