デスクトップ
それは、画面から出てきて俺の顔を見ていた。
久しぶりに起動したPCは、使わないソフトと、使えないソフトと、使ってないソフトと、ゴミ箱を表示して、低めの駆動音を流している。
随分と前にネット環境を遮断したので、出来ることは少なくなっていた。
電源を入れると、少し唸って光る。
なんだか久しぶりに見たようで、つい最近まで見ていた気もした。
5時を回って、何が有るでもなく、ニュースが流れていた。
しばらく何もしないまま、画面は光っていた。
特に何かをするでもなく、画面が暗転する瞬間を待っている。
横には小さな瓶が、空になり所在無げに転がって、指で弾くと安定する場所を探すように廊下へ向かった。
画面が暗転すると、宇宙が現れた。
よく、スーパーのサービスカウンターで目にする画面、それが大きな口をあけて待っている気がした。
勢いをつけて頭をぶつけてやると、2,3光って、顔を出した。
それから目が離せない。