裸電球


その煙突の根元から流れる奔流が、

地を伝い、

空を伝い、

壁を伝い、

床を伝い、

流れるべき全てを流れて、60ワットで僕を照らしている。



そして海に流れるでもなく、

床を伝い、

壁を伝い、

空を伝い、

地を伝い、

また順繰りに流れて、並列に繋がれた彼女を照らしているとしたら。



細長い金属の中を泳ぐ、その小さな粒子が、

地を、床を、

壁を、空を、

僕を伝って、

彼女に流れるとしたら、

順繰りのそれは、もう一度僕に戻るだろうか。