0-02-06 裸電球 その煙突の根元から流れる奔流が、地を伝い、空を伝い、壁を伝い、床を伝い、流れるべき全てを流れて、60ワットで僕を照らしている。 そして海に流れるでもなく、床を伝い、壁を伝い、空を伝い、地を伝い、また順繰りに流れて、並列に繋がれた彼女を照らしているとしたら。 細長い金属の中を泳ぐ、その小さな粒子が、地を、床を、壁を、空を、僕を伝って、彼女に流れるとしたら、順繰りのそれは、もう一度僕に戻るだろうか。